脂肪吸引は痛い?医師がわかりやすく解説
この美容整形のコラムを読むのに必要な時間は約 10 分です。
クリニックの広告文の中に、「痛くない脂肪吸引」という見出しを見つけたことがないでしょうか。
こちらの記事では、「脂肪吸引は痛くない」と謳える理由と、なぜ痛みを感じるのか、痛みを最小限に抑える対策についてご紹介しています。
本当は痛い脂肪吸引。その理由とは?
脂肪吸引は手術であるため、手術後にはどうしても痛みを感じます。しかし、適切なケアを行うことで、痛みを最小限に抑え込む事が可能です。
まずは、脂肪吸引で痛みを感じる理由についてご紹介しましょう。
この症例写真は、脂肪吸引の手術前と6か月後の症例写真になります。
当院では、痛くないように気を付けて手術をしております。
脂肪吸引はダウンタイムがある手術
ダウンタイムとは、手術直後の状態から回復に向かう期間を意味し、その間には腫れや内出血、むくみ、痛みが強く出ることがあります。
それは、人体の安全性に配慮した手術とはいえ、脂肪吸引はカニューレ(吸引器)で脂肪を吸い出す手術であるため、脂肪を吸い出したあとの組織が負うダメージが大きいからです。
皮下脂肪は表皮と筋肉の中間部分に存在し、皮膚、皮下脂肪、筋肉という層になって存在しています。
そして、脂肪吸引を行うためには、脂肪を吸引しやすい状態に変化させてから吸引するため、組織は嫌でもダメージを負うことになるのです。
ダウンタイムの期間については、脂肪吸引の範囲や吸引する脂肪の量、年齢などの条件によって差が生じます。
しかし、どのような場合でも、手術直後から1週間までは、強い腫れや内出血、むくみ、痛みが出るのは自然なことなのです。
たとえば、刃物やガラスなどで皮膚を深く傷つけてしまったとしましょう。
この場合、まず見られるのが痛みと出血で、出血は数分間程度で治まったとしても、痛みはしばらく残ります。
また、怪我をした直後の傷口は開いている状態ですが、日を追うごとに傷口の皮膚はくっつき、痛みも徐々に治まってくるでしょう。
これは怪我をした際の例えですが、脂肪吸引でも、手術後には怪我と同様の現象が起こるのです。
まず手術直後には、皮下脂肪を取り除いたことで皮下組織はダメージを負い、その反応として出血や腫れ、内出血、むくみ、痛みが出ます。
そして、術後2~3日が経過すると、それらはより強く出ることになりますが、それは組織が回復に向かう段階で見られる反応なのです。※当院では適切な痛み止めを処方しておりますので、術後の痛みもコントロールしていただくことが可能です。
こう聞くと、「痛いなら脂肪吸引は受けたくない」と考えるかもしれません。
しかし、怪我にせよ手術にせよ、組織を傷付けてしまった以上、痛みを感じるのは当然のことなのです。
とはいえ、脂肪吸引後の痛みはいつまでも続くようなことはなく、強い痛みは術後3日間をピークに減少し、術後1週間が経過したあたりでは、弱い痛み程度に回復します。
なお、脂肪吸引後の痛みは対策することで軽減できます。
その方法については以下でご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
「脂肪吸引は痛くない」と謳えるのはなぜ?
「脂肪吸引は痛くない」という謳い文句を前面に掲げているクリニックがあります。
「脂肪吸引は痛くない」と謳うからには、その理由が存在しているのです。
麻酔が手術中の痛みを消す
脂肪吸引手術を行う際には、静脈麻酔や硬膜外麻酔等を使用するので、手術中に痛みを感じる心配はほとんどありません。
痛み止めの処方薬で痛みを軽減
脂肪吸引後は、手術当日よりも2~3日後に腫れや内出血、むくみがピークを迎え、それに伴い痛みが出現する可能性もあります。
しかし、脂肪吸引後にはクリニックから化膿止めや痛み止めなどの処方薬が処方され、それらを服用することで、痛みを含むダウンタイムの諸症状を緩和できます。
なお、処方薬を服用したとしても痛みが完全に消えないというケースもありますが、服用することで痛みはかなり軽減できるのです。
また、処方薬の効果については、脂肪吸引の範囲や体質などによって差が生じますが、我慢できないほどの痛みを感じることはほぼありません。
これもまた、脂肪吸引は痛くないと謳える理由として挙げられるでしょう。
痛みに対する感性は人それぞれ
脂肪吸引を受ける際の痛みが気になった方の中には、複数の口コミサイトで脂肪吸引の痛みについて調べる方がいます。
そして、口コミを辿っていくうちに、やがて「思っていたほどの痛みは感じなかった」という口コミに辿り着くことがあります。
この場合では、「脂肪吸引は痛くない」とは発言していませんので、多少の痛みがあるということはわかるでしょう。
しかし、思っていたほどの痛みを感じないということは、痛みはそれほど気にしないても良いと解釈することもできます。
これもまた、「脂肪吸引は痛くない」と感じさせる理由のひとつとなるのです。
脂肪吸引の痛みを最小限に抑えるには?対策をご紹介
脂肪吸引の痛みは、手術中であれば麻酔の効果によって感じることがありませんが、麻酔が切れる頃になると、少しずつ鈍痛のような痛みが手術部位を中心としてじわじわと広がり始めます。
感覚としては、重い筋肉痛のような痛みといったところでしょうか。
そして、痛みが出たタイミングで処方薬を服用しておくことで、術後の痛みは高い確率で緩和できるのです。
また、脂肪吸引後はご自身で痛みの緩和対策をすることも大切で、それにより、さらに痛みを感じにくくなります。
それでは、セルフで行える脂肪吸引後の痛み対策についてご紹介しましょう。
コルセットやガードルなどで手術部位をを固定する
脂肪吸引後には圧迫固定を行いますが、これは手術部位回復を早めたり、痛みを緩和したりする目的で行います。
なお、圧迫固定の日数は手術部位の状態によって異なりますが、長くても1週間程度で外れます。
また、術後1週間が経過すると、痛みをはじめとするダウンタイムの症状はかなり緩和されますが、それでもまだ痛みは残ります。
そこで有効なのが、コルセットやガードル、サポーターなどで手術部位をしっかりと固定するということです。
このよう手術部位を固定しておくことは、痛みの緩和だけでなく皮膚のたるみ予防対策としても役立ちますので、圧迫固定が外れたら、ぜひ実践してみてください。
エアリークッションを上手に活用
太ももやお尻の脂肪吸引後に最も感じやすい不便さ、それは椅子に腰かける際に強い痛みに見舞われるということです。
また、人によっては痛みとともにひきつれ感が出る場合もあります。
このような太ももやお尻の痛みは、椅子にエアリークッションを敷くなどすれば、かなり緩和することができます。
こまめな水分補給も大事
脂肪吸引後は皮下で炎症が起こっている状態になるため、通常よりも体温が上昇しやすく体内の水分が不足することがあります。
すると、水分代謝力が弱り、回復が遅れてしまうことがあるのです。
そうならないためには、こまめな水分補給を意識する必要があります。
なお、緑茶やコーヒーなどには利尿作用があるカフェインが含まれていますので、飲みすぎると逆効果になります。
そのような理由から、水分補給をするのなら、カフェインを含まないミネラルウォーターや麦茶などを選ぶことが望ましいでしょう。
1カ月が経過したらマッサージで対応
術後1カ月が経過すると、腫れや内出血、痛みがかなり和らいできます。
とはいえ、完成形にはほど遠い状態で、痛みや拘縮(こうしゅく)はしばらく続く可能性があるのです。
拘縮とはダウンタイム期間に起こりやすい現象で、症状としては、表面の凸凹や皮膚のひきつれ感、患部の硬さなどがあり、脂肪吸引を受けたほとんどの方に見られます。
そして、このような症状が現れたときに実践していただきたいのがマッサージです。
マッサージには、拘縮の改善対策に役立つほか、痛みの緩和にも役立ちますので、長引く痛みでお困りなら、ぜひ実践してみてください。
マッサージの開始時期や方法についてはクリニックで指導を受けられますので、指導に従い、正しい方法でマッサージを実践してください。
Doctor 本ページの監修医師
■ 資格
■ 略歴
さまざまな学会の専門医・会員が在籍
下記の資格を持つ医師が在籍しています。
美容外科専門医(JSAS)、日本美容外科学会会員、サーマクール認定医、ベイザー脂肪吸引認定医、日本救急医学会ICLSコース取得、日本美容皮膚科学会正会員
医師紹介ページ医療広告ガイドラインについて
医師監修のもと「医療広告ガイドライン」に従い、以下の2点についてホームページの見直し・改善を適宜行っております。
①体験談の削除
②症例写真を掲載する際、施術内容・施術のリスク・施術の価格などの記載
患者様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。