ダーマペン

ダーマペンが登場する前はダーマローラーという医療機器を使用して同様の施術が行われていました。しかしダーマローラーは、ダウンタイムが長く痛みも伴っていたためあまり普及しませんでした。

ダーマペンはダウンタイムや痛みを軽減するために2011年に発売されました。発売以来、改良が重ねられダーマペン２、ダーマペン３が発売され、2018年にダーマペン４が発売されました。

ダーマペン４の特徴はなんといっても従来のダーマペンに比べて針に工夫がほどこされている点になります。

本数

従来のダーマペン３の場合、針が12本しかついていませんでした。一方ダーマペン４の場合、針が16本ついています。

１秒間に開けられる針穴の数

ダーマペン４の針は電動で動きます。針のスピードは5段階で調整することができ、1秒間に最大1,920個もの針穴を開けることが可能です。従来のダーマペン３は1,300個しか１秒間に開けられなかったのですが、ダーマペン4はダーマペン3よりも、１秒間に620個もプラスで針を開けられるようになりました。

効率的に施術ができるようになったので施術中のお客様の負担も軽減されました。

使い捨て

ダーマペン４の針は使い捨てとなっています。感染症などの衛生面や安全面に配慮されている施術です。

針の長さ

ダーマペン４は0.25ミリから2.5ミリまで0.1ミリ単位で調節する事が可能です。針の長さを変えることで、角質層、基底層、真皮層など、浅い部分から深い部分まで、お一人お一人の肌の状態に併せて施術をすることが可能です。
例えばシミなどには0.25ミリ程度、肌のハリや毛穴を改善したい場合は1.5ミリや2ミリ程度、ニキビ跡のクレーターには2.5ミリ程度に針の長さを調整して施術します。
額やフェイスラインなど骨に近い部位は痛みを生じやすいため、骨に近い部分は針の長さを短くして痛みを軽減します。部位によっても針の長さを調整し、オーダーメイドで施術をすることが可能です。

針の太さ

ダーマペン４の針の太さは0.2ミリ程度です。これは髪の毛より細いです。注射針では33ゲージ相当になります。

ダーマペンは、ニキビ跡によるクレーターや色素沈着、小じわ、毛穴といった肌のトラブルに効果的です。

ニキビ跡

ダーマペンで、ニキビ跡の周辺に細かい傷をわざと作ります。そして、その傷を治そうとする力を利用してニキビ跡のクレーターを改善します。ダーマペンをすると徐々にニキビ跡の凹みの角が丸くなっていきます。ダーマペンの回数を重ねるうちに、ニキビ跡が平らに近づいていきます。１回では改善しませんが、３回～５回程度行うことで改善することが可能です。重度のニキビ跡の場合は10回程度必要になります。
肌にクレーターがある場合、ハリが無いように見えて硬い肌質の印象になります。それはアクネ菌が表皮を損傷してしまい、表皮の成分が無いため硬くなってしまっているためです。
クレーター部分は周囲よりコラーゲンが不足して、肌が修復されないため、凹んでしまっています。
そのため、コラーゲンやエラスチンの生成を促進すると肌にハリが出てクレーターの肌質も改善されます。

ニキビの色素沈着

炎症したニキビが治った後、メラニン色素が皮膚に沈着して、皮膚表面に茶色っぽく残ってしまう症状を「色素沈着」といいます。
メラニン色素を体外に排出することで色素沈着を治すことが可能です。
ダーマペンをするとターンオーバーが活性化されるため、早く色素沈着を体外へ排出することが可能です。
ただし、色素沈着が濃い場合は一度で改善することが難しいため、複数回ダーマペンを受ける必要があります。
回数を重ねるごとに徐々に色素沈着が薄くなってきます。

小じわ

小じわは皮膚が薄い箇所にできやすいシワです。表情シワやたるみシワと違い、皮膚表面の細かな浅いシワです。
皮膚表面にハリがないため、生じてしまうシワになります。そのため改善する場合は、表情シワを抑えるボツリヌストキシンの注射などではなく、皮膚表面にハリをだす施術が有効になります。
ダーマペンの場合、真皮にアプローチしてコラーゲンやエラスチンを増殖させ表皮の下から皮膚にハリを持たせることができます。しぼんだ風船が膨れてシワがなくなるイメージです。

毛穴

落としきれなかったファンデーションの汚れや、角栓が空気に触れると、酸化して黒くなり、毛穴が目立ってしまいます。
またコラーゲンが減少すると、皮膚表面が弛んでしまい重力に負けて毛穴が開いてしまいます。
角栓はターンオーバーの乱れにより汚れや角質が毛穴に詰まることでできてしまうので、ダーマペンでターンオーバーを活性化することで角栓をできづらくすることが可能です。
またコラーゲンやエラスチンの増殖が活性化することで、肌にハリがでて、たるみ毛穴も引き締まります。

皮膚の細胞は一定期間で古い細胞から新しい細胞へと生まれ変わります。この一定期間の事をターンオーバーとよびます。ターンオーバーは通常ですと約28日ですが、生活習慣や加齢とともに乱れてしまいます。

シミやくすみの原因はメラニン色素によってできてしまいます。ターンオーバーが促進されると、メラニン色素が体内に留まらず体外に排出されます。そのためダーマペンによりターンオーバーを活性化すれば、シミやくすみが徐々に薄くなっていきます。

ダーマペンは他の施術との組み合わせることが容易な美容医療です。ダーマペンで開いた穴に有効成分を流し込めば、効果的に皮膚の奥底まで届けることが可能です。マッサージピール（コラーゲンピール）という塗ってふくだけの従来のケミカルピーリングとは異なる新しいピーリング剤があります。このピーリング剤もダーマペン同様、真皮に刺激を与えてターンオーバーを活性化します。

またマッサージピールにはコウジ酸という肌を白くする働きをもつ成分も含まれているため、ダーマペンと組み合わせて行うと相乗効果で肌にハリを与え綺麗な美白に近づけることが可能です。

施術後、ヴェルベットのような肌質に近づくため、マッサージピールとダーマペンを組み合わせた施術はヴェルベットスキンと呼ばれています。