先天性眼瞼下垂の原因は?治療法や手術に適切な時期を解説
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眼瞼下垂はまぶたを十分に開けることができず、視界を遮ってしまう疾患です。そんな眼瞼下垂は目への刺激を受けることで起こる後天性の場合、そして生まれつきの先天性の場合があります。
今回は先天性の眼瞼下垂について詳しくご紹介していきます。先天性眼瞼下垂とはどんな症状があるのかについてやその原因、治療方法などを解説します。先天性眼瞼下垂にお悩みの方、先天性眼瞼下垂のお子さんを持つ親御さんなど、先天性眼瞼下垂について知りたいという方は是非参考にしてみてください。
この症例写真は、眼瞼下垂の手術前と6ヶ月後の症例写真です。
先天性眼瞼下垂とは
先天性眼瞼下垂とは、生まれた時から存在する、または生後間もなく発症するまぶたの下垂の状態を指します。上まぶたの筋肉、特に上眼瞼挙筋の発達不全や機能不全によって引き起こされ、結果として、まぶたが正常な位置よりも低くなり、瞳孔の一部を覆ってしまうことがあります。
先天性の眼瞼下垂は、見た目の問題だけでなく、重度の場合は視野が制限され、正常な視力発達を妨げることもあります。特に小さなお子さんの場合、このような状態が続くことで、斜視や遠視の原因となることが懸念されます。
後天性眼瞼下垂との違い
眼瞼下垂は先天性のものだけでなく、成長し大人になってから発症する場合もあります。青年期や大人になってから発症する眼瞼下垂は後天性眼瞼下垂と呼ばれます。
後天性眼瞼下垂は、加齢や目への刺激などで起こりやすくなります。コンタクトレンズの着用やメイクでの刺激、アイプチの使用なども後天性眼瞼下垂の原因になります。
先天性眼瞼下垂の原因
先天性眼瞼下垂はまぶたを持ち上げる筋肉の未発達、機能障害で起こります。ただ、なぜそのような発達・機能障害が起こるのかについては現在研究中でその原因は分かっていません。
また、先天性眼瞼下垂の赤ちゃんは妊娠中すでに眼瞼下垂は起こっていると考えられますが、超音波などでは確認が難しく、眼瞼下垂であるかどうかは生まれてみるまでわかりません。
先天性眼瞼下垂は遺伝する?
先天性眼瞼下垂は一部、染色体の優性遺伝が原因で起こることも報告されています。つまり、家族に眼瞼下垂の人がいる場合、生まれてくる赤ちゃんに先天性眼瞼下垂がある確率はそうでない家系よりも高いということがいえます。
ただ、先天性眼瞼下垂の赤ちゃんの中には、家族に眼瞼下垂の人がいないケースもあります。そのため家族に眼瞼下垂の人がいるからといって過剰に心配する必要はないでしょう。
また、遺伝によって起こる先天性眼瞼下垂は両目ともに起こるケースがほとんどです。片目のみの先天性眼瞼下垂は遺伝関係なく突発的に起こることが多いとされています。
先天性眼瞼下垂の症状
先天性眼瞼下垂による症状は以下の通りです。
- まぶたが下がっている
- まぶたが開きにくい
- 眉を上げる癖
- 頭を後ろに傾ける癖
- 視野が悪くなる
- 片方の目がズレて向いている
これらの症状について詳しくご紹介していきます。
まぶたが下がっている
先天性眼瞼下垂の最も顕著な症状の一つが、まぶたが下がっていることです。この症状は、新生児期から明瞭に確認できる場合が多く、上まぶたが正常位置よりも下がってしまうことで、目の一部または全体が覆われることがあります。
まぶたの下垂の程度は人によってに異なり、軽度の場合は目の一部だけが覆われるのに対し、重度の場合には瞳孔がほぼ隠れてしまうこともあります。このように、まぶたが下がることで生じる視野の制限は、日常生活の質や視覚の発達に影響を与える可能性が高まります。
まぶたが開きにくい
先天性眼瞼下垂の中でも、特に生活に影響を及ぼす症状の一つが「まぶたが開きにくい」という問題です。この症状は、眼瞼の筋肉や神経の機能不全によって引き起こされることが多いです。
まぶたが開きにくいと、目を開ける際に不自然に力を必要とするため、日常的に疲れやすくなることがあります。
眉を上げる癖
この癖は下垂したまぶたによる視野の制限を補完しようとする体の自然な反応として現れます。
まぶたが正常な位置よりも低い場合、視野が狭くなり、その結果、物を見るための視界を広げようと無意識に眉を上げる動作が繰り返されるのです。この反射的な動作は特に、注意を要する活動や物をじっくりと見る際に顕著になることが多いです。持続的に眉を上げることで、前頭部の筋肉に過度な負担がかかることが考えられ、これが頭痛や顔の疲れの原因となる可能性もあります。
頭を後ろに傾ける癖
この癖は、先天性眼瞼下垂の症状を持つ子供たちが、物事を明確に見るためや、視界の障害を感じることなく情報を取り入れるための自然な反応として現れます。しかし、この動作が習慣化すると、首や背中の筋肉への過度な負担や、姿勢の悪化を引き起こす可能性があります。
特に成長期の子供たちにおいては、このような不自然な姿勢が続くことで、骨格に影響を及ぼすリスクも考えられます。加えて、長時間の勉強や読書時にこの姿勢を取ることは、頭痛や肩こりの原因となる可能性が高まります。
視野が悪くなる
先天性眼瞼下垂に伴う症状の中で、日常生活において最も直接的な影響を及ぼすのが「視野が悪くなる」という問題です。例えば、階段の昇降時に足元や前方の視野が悪いと転倒や事故のリスクが高まります。特に子供たちの場合、学校での授業や運動活動でのパフォーマンスに影響を及ぼすことがあります。黒板の内容が見づらい、ボールの動きが追いにくいといった問題が生じることがあります。
片方の目がズレて向いている
この状態は「斜視」とも呼ばれ、眼球が正常な位置や方向とは異なる向きに位置している状態を指します。片方の目が他の目とは異なる方向を向いているため、双方の目からの視覚情報が異なり、立体視の障害や両眼視の問題が生じることが考えられます。このような状態が続くと、もう一つの目を「優越眼」として使うことになり、もう一方の目は徐々に視力を失っていくリスクが高まります。
また、片方の目がズレて向いている状態は、会話する時に相手との目線が合わないという障害が生じることもあります。
先天性眼瞼下垂で手術が必要な場合とは
先天性眼瞼下垂は多くの場合、単に外見上の特徴として存在するだけでなく、日常生活や健康にも影響を及ぼす可能性があります。では、どのような状況や症状が現れた場合に手術が必要とされるのでしょうか。
まず、まぶたの下垂に伴い、視力が低下する危険がある場合に手術が推奨されます。視力は一度弱くなると、元の状態に戻すことは非常に難しいです。学業や運動などにも影響が出る可能性があるため、視力が低下する前に手術することをおすすめしています。
また、片方の目がズレて向いている斜視や、弱視などを伴う、もしくはその危険性が高いと判断される先天性眼瞼下垂も、日常生活に大きな影響を及ぼすため手術が推奨されます。
手術が推奨される時期
先天性眼瞼下垂の根本的治療法である手術は、3歳から5歳の間に行われることが一般的です。しかし、症状の程度や伴う問題、患者の成長などの個別の状況により、その時期が前後することもあります。大人になってから手術をする場合もあります。
人間の視力は出生後から徐々に発達していきますが、特に3歳から5歳の間は視力の発達が活発に行われる時期です。先天性眼瞼下垂によりまぶたが正常な位置よりも低く、そのために視界が妨げられていると、視力に問題が生じるリスクが高まります。この年齢期に手術を行い、視野を確保することで、視力低下の予防や進行を防ぐことができるのです。
また、子供が学校に入学する前、特に幼稚園や保育園の年齢期に手術を受けることで、学校生活でのコミュニケーションや自己意識の低下を予防することができるともいわれています。
手術しないで治す方法は?
先天性眼瞼下垂の根本的治療法は手術であるとお伝えしましたが、手術以外の治療方法はあるのでしょうか。
結論からいうと、マッサージや筋力トレーニングなど手術以外での方法で眼瞼下垂の改善を望むことは難しいと言えます。
先天性眼瞼下垂はまぶたを支える眼瞼挙筋の筋力が弱いことで起こります。この挙筋はマッサージやトレーニングで鍛えてもそこまで変化がないからです。
マッサージやトレーニングを推奨している記事などを見かけた方がいるかもしれませんが、自己流でやるとむしろ眼瞼挙筋腱膜を傷つけてしまい症状が悪化してしまうケースもあります。
手術するべきか悩んでいる方などは一度クリニックなどで診てもらい、症状がこれから悪化するのかどうか、先天性眼瞼下垂がこれからどう影響するのかについて相談すると良いでしょう。
先天性眼瞼下垂の手術方法
先天性眼瞼下垂でも当院の全切開法で対応可能です。
まぶたを二重のラインにあわせて切開し、縫い合わせて引き上げる方法です。目の開きを大きくできるのが魅力の手術方法で、一重の方の場合はまつ毛のすぐ上を切開します。
MD式(ミニマムダウンタイム切開法)で行うことで、ダウンタイムを短く行うことが可能です。MD式は当院の吉原医師が考案した術式で、他のクリニックでも採用されているオプションです。
この症例写真は、全切開法と眼瞼下垂手術とヒアルロン酸の手術前と3ヶ月後の症例写真です。
眼瞼下垂なら東京シンデレラ美容外科へ
東京シンデレラ美容外科では、眼瞼下垂の美容整形を多く行っております。
眼瞼下垂の正しい情報を分かり易く伝えられるように医師が丁寧にカウンセリングを行っていますので、美容整形が初めての方も、一度当院のカウンセリングにお越しください。
東京シンデレラ美容外科は新宿、池袋、大宮の3院あります。新宿院は新宿駅「B12」出口より徒歩30秒 、池袋院は池袋駅東口より徒歩2分、大宮院は大宮駅西口より徒歩3分にあり、いずれも駅近くでお越しいただきやすいです。
スタッフ一同心よりお待ちしております。
Doctor 本ページの監修医師
吉原 伯 NORI YOSHIHARA
美容外科医として、培ってきた技術と美的センスを皆様にご提供いたします。
その中で、あなたのご希望に合うものを一緒に選んでいきましょう。
外見だけでなく、あなたの内面を輝かせるお手伝いが出来ればと思っています。
どこが気になりますか?どのようなお悩みもまずは、ご相談にいらしてください。
■ 資格
- 美容外科専門医(JSAS)
- サーマクール認定医
- ベイザー脂肪吸引認定医
- 日本救急医学会ICLSコース取得
- 日本美容外科学会正会員(JSAS)
- 日本美容皮膚科学会正会員
■ 略歴
-
神戸大学医学部医学科卒業
医療法人社団愛友会 上尾中央総合病院勤務
(麻酔科、皮膚科、形成外科) - 湘南美容クリニック新宿本院、大宮院 勤務
- 湘南美容クリニック大宮院院長就任
- 早稲田大学大学院卒 MBA修了
-
湘南美容クリニック新宿南口院院長就任
SBCメディカルグループ統括院長補佐就任 - SBCメディカルグループ代表補佐就任
- 東京シンデレラ美容外科新宿院院長就任
- 医療法人社団東新会理事長就任
さまざまな学会の専門医・会員が在籍
下記の資格を持つ医師が在籍しています。
美容外科専門医(JSAS)、日本美容外科学会会員、サーマクール認定医、ベイザー脂肪吸引認定医、日本救急医学会ICLSコース取得、日本美容皮膚科学会正会員
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